活性酸素について

私は、数年前に禁煙しました。禁煙に至った理由は、複数あるのですがその中でもいつまでも健康でいたいといった理由が大きかったです。
そのタバコの煙には、活性酸素を産生する物質が多く含まれています。
今回は、この活性酸素について取り上げていきます。
活性酸素とは
活性酸素とは、呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が、通常の状態よりも活性化された酸素のことを指します。
ヒトなどの哺乳類は、取り込んだ酸素の数%が活性酸素に変化すると考えられています。
この活性酸素が、体内の代謝過程で様々な成分に反応し、過剰になると細胞傷害をもたらします。
そして、がんや動脈硬化、心筋梗塞、アルツハイマー、糖尿病、胃潰瘍、白内障などの多くの病気と活性酸素が関わっていると明らかにされています。
また、活性酸素はタバコに含まれるタールなどの発がん物質と結びついて、細胞の癌化を促すと言われています。
その為、たばこを吸う人だけではなく、吸わない人もタバコの煙にさらされる事により活性酸素が体内に出来てしまいます。
活性酸素の役割
上記に述べたように活性酸素は、体のリスクファクターとして悪者のイメージがあるかと思います。
ですが、その活性酸素の全部が悪者かと言いますとそうではありません。
実は、白血球から産生される活性酸素は、免疫機能や感染防御に使われます。
具体的には、その白血球の中にある好中球や単球が、細菌をやっつける為に活性酸素を使っています。
また細胞間のシグナル伝達、排卵、受精、細胞の分化などの生理活性物質としても利用されています。
その為、ただ単に活性酸素を除外すれば良いという考え方はNGです。
活性酸素と上手く付き合っていくために
では、良くも悪くも私たちはこの活性酸素とどう付き合っていけば良いのでしょうか。
常に体内で活性酸素が産生されているにも関わらず、恒久性を維持できているのは、私たちは活性酸素から防御する抗酸化防御機構が備わっているからです。
この抗酸化防御機構は、活性酸素の産生を抑制したり、細胞に生じたダメージの修復や再生を促す働きを備えています。
通常は、私たちの体内では活性酸素の産生と抗酸化防御機構のバランスが取れています。
このバランスを崩さないようにできれば良いのですが、紫外線や大気汚染、たばこや酸化された物質(古い油も含まれる)の摂取により、このバランスが崩れた状態を酸化ストレスといいます。
上記の要因以外にも過度な運動やストレスも活性酸素の産生を促して、酸化ストレスを引き起こす要因となります。
だからこそ、常日ごろからバランスの取れた食事を摂ったり適度な運動をしたり、十分な睡眠を取る事によって、抗酸化防御機構を良好に保つことが重要です。
それが酸化ストレスを防止する事=活性酸素と上手く付き合っていく事となります。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。