肝炎の臨床症状について

 昨日は、肝炎の原因について記事を書きました。肝臓は、沈黙の臓器である為、症状が出るようになると、肝炎が進行しています。

今日は、代表的な肝炎の臨床症状について書きたいと思います。

  • 倦怠感や疲労感
  • 食欲不振
  • 嘔吐、下痢
  • 黄疸
  • 血液検査の肝機能検査値の異常(AST、ALT)

上記が主な肝炎の症状です。残念なのは、こういった症状が出ても仕事が忙しくてついつい自分の健康を後回しにしてしまい、手遅れになってしまう働き盛りの世代が多いです。繰り返しですが、症状が出る頃には肝炎が進行していますので、症状が出るもっと早い段階で病態を把握する必要があります。

一般的には、下記の血液検査の項目で現在の状態が分かります。健康診断でも実施される項目ですので、受診された血液検査の報告書を着目してみてください。

・AST、ALT

・ASTとALTは両項目を同時で測定されます。両項目を同時に測定することにより、以下のように判別できるからです。
・ALT上昇、AST正常:脂肪肝、非活動性慢性肝炎
・ALT正常、AST上昇:アルコール性肝障害、肝硬変、急性肝炎の初期、肝疾患以外の原因等(心筋梗塞)

・γ(ガンマ)−GTP

・よくお酒を飲まれる方は、γ(ガンマ)が高いと言われますね。その検査項目がこちらになります。お酒の飲み過ぎによってアルコール性脂肪肝が発症することも問題となっています。他、γ−GTPが高くなる要因としては、肝炎や脂肪肝、胆石などで胆道が詰まった場合に高値になりやすいです。
また、100を超える場合は、注意が必要で100〜200の検査値だと脂肪肝が進んでいる場合もありますので、病院を受診された方が良いでしょう。
但し、抗てんかん薬、抗凝固薬、向精神薬、ステロイド薬などの薬物摂取でもγ-GTPの値は上がるため、そうした薬物の摂取がないかどうかも確認する必要があります。

・ALP

・ALPは、主に胆道の異常から出ます。黄疸の軽い症状が現れるようになった場合はALPの検査値の中等度の上昇、明らかに顔に黄疸の症状が出てくるようになると検査値の高度な異常値が出てきます。いづれにせよ、基準値を大きく上回る様でしたら、病院を受診された方が良いでしょう。

以上、健康診断で測定される代表的な肝機能検査のご紹介をしました。
次回は、よく耳にするB型肝炎やC型肝炎に代表されるウィルス肝炎について書きたいと思います。

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